2013年8月22日 23:25|お茶(煎茶/かぶせ茶)
昨日は「かぶせ茶」と「煎茶」の違いを栽培方法による
茶葉の色、お茶の水色についてお話しました。
きょうは、「味」についてお話します。
お茶のうまみ成分は「テアニン」(アミノ酸)と呼ばれます。
上品な旨みと甘みが特徴です。
「テアニン」は太陽の光によりお茶の渋味成分である
「カテキン」に変化します。被覆栽培されたかぶせ茶は
太陽光を遮るわけですから「テアニン」の含有量は高く
カテキンは低くなります。
味は渋味が少なく、旨みと甘みが多いお茶となります。
一方、煎茶はその逆で渋味のあるお茶となります。
では、かぶせ茶が「熱湯玉露」と呼ばれるのはなぜでしょうか?
玉露の栽培方法を覚えていますか?
玉露もかぶせ茶も栽培方法は同じ被覆栽培でした。
しかし、条件は違いました。
玉露は被覆期間がかぶせ茶の1.5〜2倍。
ですので、玉露はもっと旨みと甘みの多いお茶となります。
その玉露の淹れ方は、温度の低いお湯でゆっくりとテアニンを
抽出します。お湯を冷ますのにも時間がかかり、さらにお茶を
抽出するまでに約2〜2分半の時間がかかります。
飲むには少し手間がかかり、日常的なお茶とは言えません。
もっと手軽に、サッ淹れることができて、しかも旨み甘みが
十分に味わえるお茶として注目されたのがかぶせ茶でした。
お湯を冷ますことなく、熱湯でサッと淹れても玉露と同じように
旨みと甘みを味わえる。
そこで、かぶせ茶は別名「熱湯玉露」と呼ばれるようになりました。
尚茶堂では、かぶせ茶という名前があまり浸透していないため
煎茶と表現していますが、
●煎茶「豊臣」
●煎茶「匠」・「極」・「凛」
●おくみどり
は、かぶせ茶です。そして、「白折」はかぶせ茶の茎の部分を使った
お茶ですので、すっきりとした甘みのあるお茶になります。
生葉を食べ比べても、味の違いはよくわかりますが
みなさんはぜひ、淹れたお茶で飲み比べをしてみてください!